ウズラの卵と酢からぷよぷよボールができる理由
レオジョーチャンネルの裏方です。YouTubeの44作目で『ウズラの卵でぷよぷよボールを作る!』という動画をアップしました。ウズラの卵を酢の中に入れると、数日後、ぷよぷよするボールができるというものです。その理由を、ここで考えてみたいと思います。
まずは、動画で行った実験内容と変化の様子のおさらいから・・
─────────
<材料>
ウズラの卵、コップ、酢、食品用ラップ、混ぜるための棒
<やり方>
ウズラの卵と酢をコップに入れ、ラップをする。ときどきかき混ぜながら数日置いておく。
<変化の様子と結果>
ウズラの卵に酢を加えると、まずウズラの卵の表面の模様が少しずつとれていく。ウズラの卵の表面に、泡が発生している。
1日後、表面の模様はほぼすべてとれて、白い卵の形をしているが、一部分オレンジ色の部分が見えてくる。白い殻がなくなった箇所から、黄身のオレンジが見えている様子。
4日後にとりあげたところ、全体がオレンジ色をしており、殻の硬さはなく、ぷよぷよした弾力のある触感だった。
─────────
ウズラの卵と酢を加えてすぐ、表面に泡が発生していたのだが、これは何だろう?
まず、卵の表面の殻は炭酸カルシウム(CaCO3)という成分でできています。酢には酢酸(CH3COOH)が含まれており、卵と酢が合わさると以下のような化学反応が起こります。
CaCO3+CH3COOH→(CH3COO)2Ca+CO2+H2O
この化学式の右側を見てみると、CO2(二酸化炭素)が生成されています。あの泡は二酸化炭素なのですね!(炭酸水の泡と同じです!)この反応が進んだため、硬い殻がなくなっていったのですね。
では、なぜ殻がなくなった後に、ぷよぷよボールの形状をキープしたのでしょうか。卵の外側は硬い殻なのですが、内側にうす皮(卵殻膜)があり、このうす皮は酢によって溶けない性質のためうす皮は残ったと考えられます。結果、硬い殻は溶け、薄皮に包まれたぷよぷよボールができた、というわけです。
簡単に試せる実験でしたが、化学反応が目で見て確かめられたし、何よりぷよぷよボールの触感が気持ちいい!楽しく化学に触れられるので、おすすめの実験です!